ターミネーター/ニュー・フェイト見てきたよ
どうも、大人迷子です。
まぁ見て来た方は言わずもがなご存知でしょうし、既に色んなところで言われてますが、感想なんぞを書いてまいります。
※クソほどネタバレありますので、気にされる方はバック推奨。
評価
総合評価★☆☆☆☆
個人的な意見として、1本の映画単体として見れば特別悪くはない。まぁ良くもないが。
その意味だけで言うなら甘く甘く★3をつけても良い。だがこれは飽くまで「総合」評価だ。
この映画は「1本の映画単体として」ではダメなのだ。その評価の仕方はフェアじゃない。
ジェームズ・キャメロン、リンダ・ハミルトン、アーノルド・シュワルツェネッガーが集合し、さらに(これがある意味致命的なのだが)3以降の作品をなかったことにする「T2の正当続編」と謳ってしまった以上この作品には「責任」が伴う。
だからこその★1である。
厳密に言えば1にも満たない。
まぁ「厳密に」と言うならシリーズを知っていることが前提の作りである以上「1本の映画単体として」なんてそもそも不可能なので、どう頑張っても低評価は避けられないとも言える。
衝撃の冒頭
まず映画のド頭でジョン・コナーがT-800型ターミネーター(※T2とは別個体)に抹殺される。
これ「だけ」を突き付けられてすんなり受け入れられるヤツがいたらそいつはシリーズが好きではないと思うが、勿論映画本編ではそんな無味乾燥な文字情報「だけ」なワケはない。
だがナシだ。
サラ・コナーの人物像
前提として、T2本編の内容でもって審判の日は無事に回避されており、問題のシーンは審判の日以降ということのようだが、だからといって「リゾートビーチで無警戒にくつろいでいたらなんか見つかって殺されました」なんて私の知るサラ・コナーではない。T2時点は言うに及ばず、一作目ラストとすら乖離する。
3でジョンの口から語られた「審判の日は起こらなかったが、それでも警戒を続けたサラ・コナー」のほうが余程しっくりくる。
ジョンを殺害したターミネーター
また、このジョンを殺害したターミネーターというのもいただけない。
スカイネットはジョン殺害のため色々な時代にターミネーターを送っていた。そこまでは良い。
が、それ以外の部分はもはや突っ込みが追い付かない。
・なんでT-800だけでT-1000は送られてないのか
・それを抵抗軍側が察知出来ていない(≒対応する戦士が送られていない)
・送り込まれたT-800を全てサラが単独撃破(…マジかよ)
・一作目二作目を除き、送り込まれている時代は審判の日以降
・「審判の日が起こらなかった歴史」におけるジョンの居場所を補足しており、かつ顔を認識している
個人的に特に酷いのが最後である。
これまで一作目では「(審判の日以降の)戦争によって資料の多くがなくなって」おり、サラに関しては「住んでいた町と名前しか分からない(※当然顔も)」とされていた。
二作目でもT-800側はジョンから聞いていたということでまぁ良いとして、T-1000側は正確な住所は警察のシステムを使って調べたうえ、顔も写真を見るまで認識できたか怪しい。
しかもご丁寧に今作では、サラ自身から「ジョンが見つからないように写真の一枚も残さなかった」と語らせている。
ジョンの居場所云々は今更言うまでもなかろう。
改変された歴史
本作中で段階的に語られるが、要するに審判の日を回避してもいずれ人間と機械の戦争は起こるようなのだ。
スカイネット→リージョン
サラ(兼ジョン)→ダニー
カイル→グレース
と変わっただけで一作目と同じことが起きているのが本作である。
そこに改変前の主要キャラであるサラとT-800が関わってくるという具合だ。
…具合なのだが
新キャラの掘り下げが足らない
これはある意味リンダとシュワを出したせいと言えなくもないのだが、ジョンを殺されたサラと殺した後なんか人間の心に目覚めた風のT-800というところにある程度のウェイト(或いは尺)を割いているせいで、新キャラであるダニーとグレースを十分に描けていない。
前述の通りサラとT-800まわりの突っ込みどころは無視出来ない程度にあるのだが、そのくせそっちの描写にそこそこ力を入れるもんだからダニーとグレースが「お客様」から脱せていない。
違うだろう。
改変後はコイツらがメインなんだろう。
これがまだ全員ポッと出なら話は違ったのかも知れないが、リンダとシュワを「サラとT-800」として出す以上は仕方なかったのであろう。
そのあたりの都合に引っ張られたように、どうしても見えてしまう。
そしてその辺がクリアされないから終盤のグレースの犠牲が映えない。
新型ターミネーターに魅力がない
分裂のアイディア自体は良かったと思う。
けどそれが有効に活かされてただろうか。
例えば序盤の工場でのバトルは分裂を駆使していれば詰んでいたのではないのか。
また、金属骨格に液体金属をコーティングするのは既に3でやっており、しかも3では自己改造の範疇で遠距離武器持ちだった。
今回は分裂のアイディアこそあったが、武装面ではダウングレードしており、残念でならない。
また、演技面でも一作目二作目のターミネーター役が如何に怪演だったかよく分かる。
結果、肝心のターミネーター(REV-9)が全てにおいて過去作を超えていない。
画面が暗くてよく分からん
アクションシーンはド派手でスピード感はあったろう。だがそれが画面の暗さやREV-9が黒色である点と悪い意味で融合している。
思えばT--800の骨格やT-1000の液体金属がシルバーだったのは正解だし、本来なら暗いはずのシーンでも見にくくならないように非常に気を遣っていたのであろう。
良いところもある
勿論良いところも沢山ある。
色んな所を脇に置いておけばグレースは格好良かったとも言えるし、なんだかんだREV-9の分裂は秀逸なアイディアだった。
子供を持つ身であれば分かろうが、ジョンを失った後のサラの人生という重み、T-800(カール)と会った時の激情は心を揺さぶられるだろう。
なにも作品全てがダメと言うつもりはない。
その意味で、惜しくもあるのだ。
その「責任」
まさに今日、我が家で起こったこと。
一番下の坊主がマリオをやっていたのだが、哀れマリオは炎の海に沈んだ。
見かねたのか真ん中の子が代わったのだが、樽?にぶつかってマリオはまたもご臨の終。
言いたいことはそれと似たようなことだ。
色々な事情とか、脚本や監督が誰だったかはともかく、既にある3以降を否定したのである。
明確に、それを超えてくるのは責任であり義務なのではないか。
まぁ例によって評価はそれぞれで良い。
世間的な評価は微妙でも私は4好きだったりしますしね。
はてなブックマークのコメント
☆腹筋
マコト(id:arice403s6c7)さん
いや、タイトルで惹き付ける、勉強させて頂きました。
……やっぱりこれ皮なんですかね?
引き続き精進いたします。
☆ログ
id:amidamさん
まぁああいう書き方すりゃ分かりますよね(笑)
今週の記事更新をお楽しみにー。