知らないことをやってみるブログ

世の中には、知らないことが多すぎる。アラフォー妻子持ちがなんでもやってみようというブログ。

時代の残響 ~続々・お題に沿って書けるかな

今週のお題「わたしの好きな歌」だそうである。
でもなー、特別書けるようなことないよなーと思っていた。

けれど忘れていた、今だからこそ聴きたい歌がある。
そんなことを書いてみよう。

繰り返す音

私は気に入った曲なりアルバムなりがあると延々そればかり聞くタイプで、場合によっては特定の曲とそれを聞いていた時期の思い出(というか感情か)が切り離せないくらい絡まっていることがある。
たいていの場合、楽しかったことなり悲しかったことなり何か強烈な感情の動きがあった時期で、何事もない日々を過ごしていた時期にはそういう「絡まった」曲がない。
そうした中で、とびきり絡まっているあるアーティストがいた。

それは降り注ぐ雨に似て

そのアーティストはルルティアという。
吃驚するくらいメデイアへの露出がないアーティストだった。
その曲に出会ったのは、確かネット上の動画か何かだったと思う。
彼女の歌は、一言で表すなら甘い毒だ。
悲しく切なく突き刺さるような冷たさと、優美に甘美に染み渡るような温かさ。
そのウィスパーボイスは聴く側によってどのようにも聞こえるだろう。
その時々に表情を変える雨のようなもの。

20代の前半。
およそ3年近く、4枚のアルバムにまたがって彼女の歌は私の感情の近くにあった。
楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、腹が立ったこと。
仕事と、趣味と、恋愛と。
混ざりに混ざって選り分けるのは難しい。
だから、どうしてもドロドロしたマイナスの気持ちも引き摺られてついてくる。
いつしか彼女の歌はあまり聴かなくなってしまった。
楽しいことも、嬉しいこともあった筈なのに。

一つの終わり

メデイアへの露出がない彼女である。
今、どんな活動をしているのか。
細かなことはネット上に詳しいのでここでは割愛するが、2016年以降目立った活動がないそうである。
令和になって2ケ月以上。
今更何をと思うかも知れないが、平成が終わったんだという「実感」があった。
若かった。
恋もした。
フラれた。
やらかした。
あの痛々しく、辛く、苦しく、悲しく、腹立たしく、楽しく、嬉しい日々は、遠く遠く霞んで手が届かない。
あの時あった若さはもうなくて、そのくせ中身は進歩がない。
歳ばっかり重ねて、出口が見つからず、答えが見つからず、蝶のようにふらふら彷徨う大人迷子だ。

でも、あの頃とは違うこともある。
もう大丈夫だろう。
あの頃のマイナスな気持ちに押し潰されるようなことはない筈だ。
もう一度、あの歌を聴こう。
無くしてしまった時代の残響。


ルルティア  ロストバタフライ



※劇場版 Fate/stay night はいっさい関係ありません。念の為。