万年筆で書けるかな
20代前半の事だったように思うが、父親から万年筆を貰った。
正直な話として、使ってみた当時の印象としては「なんかメンドクセー道具」だった。
時折思い出したように引っ張り出して使おうとはするものの、習慣としては全く定着しなくて、結局ペン先を駄目にしてしまった。
後々になってから知ったのだが、それなりの値段の非常に質の良いモノだった。
思えばケシカラン息子である。
そんなこともあり、ここ最近の「知らないことをやってみる」という想いもあり、改めて万年筆と向き合ってみることにした。
まずは安いモノで
繰り返しになるが父親に貰ったモノは駄目にしてしまったので、新しく調達することにした。
が、良い品は良い値段がするのである。
少なくともそれなりに名前の通ったメーカーの品は。
別にそれが買えないほどに生活が困窮しているわけでもないが、「知らないことをやってみるか」くらいのノリで手を出すには二の足を踏むお値段だ。
まぁなので、まずは安物で入門編である。
書き味、使い心地
万年筆は毛細管現象とやらでインクが出る仕組みのようで、基本的に「筆圧」というような力みはいらない。
て言うかペン先が傷むから駄目。
感覚としてはペン先で紙に「触れる」くらいのレベルで良いと思う。
強いて一番感覚が近いモノを挙げるなら毛筆だろうか。
変に力みが消えるせいで、普段の自分の字とはまた違った表情を発見するかも知れない。
私の場合はこんな。
きったねー字でしょ?
でもね、私の書いた字の中ではまだしもきれいな部類なんですよ。
使ってみての印象は
メンドクセー道具だな、と思った。
「お前なんにも進歩してないじゃねーか」って?
はい、すいません。
でも、今はその面倒臭さにちょっとした「味」を感じることが出来るようになった。
まだそれを上手く表現することは出来ないけれど、今度はしばらく万年筆と向き合ってみるつもりだ。
近頃は何でも効率を求める世の中だが、こういう不便も良いかも知れない。手間が掛かるって、そんなにいけないことだろうか。
まぁあれこれ言ったものの、自分の好きにすりゃ良いと思います。
自分の人生なんだし。