知らないことをやってみるブログ

世の中には、知らないことが多すぎる。アラフォー妻子持ちがなんでもやってみようというブログ。

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー感想 ~愛がある、冒険がある、人生がある

いやー、映画って本当に良いもんですね。


どうも、大人迷子です。

記事にある「愛がある、冒険がある、人生がある」とは、SFCドラゴンクエスト5のキャッチコピーになります。
「なんでそんな古い作品の話?」なんてとぼけたことを仰る方はまさかいないでしょうね。
本日公開の映画 ドラゴンクエスト ユア・ストーリー は5が元になっているんですよ。
f:id:otonamaigo:20190802185255j:plain
本日はそんなドラゴンクエスト5の想い出と、映画ドラゴンクエスト ユア・ストーリーの感想を書いていきます!


※クソほどネタバレありますので、気にされる方はバック推奨。

不朽の名作、ドラゴンクエスト5

まず最初にゲームについての話をしよう。
「いや、それは別にいい」と思う人は遠慮無く目次から映画の感想に進むと良いだろう。


ドラゴンクエスト5は今から27年ほど前、1992年9月27日に発売された。

この発売はファンにとっては「待望の」と言うに足る出来事だった。本作はとにかく発売が延期されまくった作品だったからだ。
今であればちょっとやそっとの事なら発売に踏み切って、後日修正版のアップデートを行ったりDLC扱いにして二度金を取るところだろうが、当時それはまず不可能だった。
そのあたりの詳細はネット上に詳しいので割愛するが、繰り返しもたらされる発売延期の報は発売を心待ちにする全国の子供達(ひょっとしたら大人も)の半ば呪詛めいた落胆を集めるのに十分だっただろう。

そしていよいよ発売の日を迎え、ほくほくと買って帰ってうやうやしく開封の儀となるわけである。
あの当時のゲームの箱を開ける時の、取扱説明書を開く時の、そして初めて起動させる時の気持ちは二度と味わえないと思う。

初めての、SFCドラゴンクエスト、初めての仲間モンスター(ホイミンは特別枠)、そして素晴らしいストーリー。

散々待たされたから、ではない。
そんなことすっかり忘れるくらい、僕たちは夢中になった。

以来、本作はPS2、DS、スマホアプリと何度も移植・リメイクされ、その度に多くの人を楽しませてくれた。
まぁ中には複数回やっているような馬鹿(私)もいただろうが。

主人公の人生

さて、ドラゴンクエスト5の主人公といえば、シリーズ中で最も悲惨な人生を送る主人公である。
いちおう最終的には幸せになれるが、帳尻が合うかと言われれば甚だしく疑問だ。
ごくごく簡単に振り返ってみよう。

1、生まれて間もなく(少なくとも赤子の頃には)母親が魔物にさらわれる。
2、母親を救う手がかりを得るため、物心つく前から父親についてあてもなく世界中を旅する。
※このあたりの経緯は当初主人公は知らない。

3、6歳の頃、目の前で父親が魔物に嬲り殺される。※この際、自分が人質に取られたせいで父親は「無抵抗で」嬲り殺される。また、父親が死ぬ寸前、初めて母親の事を聞かされる。
4、その後10年間、父親の敵が所属する組織に奴隷としてこき使われる。
5、脱出に成功するが、子供の頃過ごした村は壊滅している。※濡れ衣であり陰謀ではあるが、主に自分と父親のせい。
6、子供の頃遊んだ隣村の女の子は引っ越して何処に行ったか分からない。
7、10年間支え合った奴隷仲間は、義弟のために仲間を外れてひとりぼっちになる。
8、子供の頃のペットと再会するが、ペットが近隣の農作物を荒らしていたせいで村人から口汚く罵られる。
9、結婚し、子供にも恵まれるが直後に嫁さんが魔物にさらわれる。
10、嫁さんを助けに行った先で父親の敵に石化されられ、石化解除まで数年かかる。なお、その間に石像として自分を買った金持ちのオッサンにワケノワカラナイ言いがかりをつけられて数発蹴られる。
11、割と育った状態の子供に石化を解除され、はじめましてお父さんとか言われて困惑する。
12、苦労して嫁の石化を解除すると、子供達は「おかーさーん」と言って泣きながら抱きつく。おい、父親の時にその工程なかったぞ。
13、母親を助けに行こうとするも、母と名乗る人物からの謎のテレパシーで「来るな」と言われる。
14、テレパシーは無視してやっとのことで母親の元に辿り着くも、目の前で母親を殺される。※SFC版では魔王に殺されるが、リメイク版では父親の敵に殺される。

…いかがだろうか。
いや、見れば見るほど本当に酷い。
圧巻は3と4だろうか。
6歳、そして以降の10年である。いったい前世でどれほどの悪行を重ねればこんな目にあわされるというのか。
正直な話、私だったら正気を保つ自信が無い。

かつて子供だった親たちへ

あの頃の気持ちがある。
大人になり、親になった今の想いがある。
今でもドラゴンクエスト5 が大好きなのは、きっとそれが画面の向こうの、もう一つの人生だったからだ。
繰り返すが、全く酷い人生だ。
それでも僕たちは勇気を振り絞り、打ちのめされ、喜び、へこたれて、楽しんで、苦しんで、生きていた。
結婚する時だって、子供の名前だって、遊びとは思えないくらいに子供なりに真剣だった。
大人になってからではなく、子供の時にこの作品と出会えて良かったと思う。

映画 ドラゴンクエスト ユア・ストーリー は、そんな気持ちに出会いに行く作品だと思う。

だから珍しく、本当に久しぶりに、誰に何を言われるでもなくこの作品は絶対に見に行くと決めていた。

映画感想

さてようやく映画の感想である。
ある意味ここまでもネタバレみたいなモンではあるが、こっから先はさらに身も蓋もないネタバレが続くのでご注意願いたい。

評価

総合評価★★★☆☆

トイストーリー4の時も似たようなことを言ったが、個人的には5である。いや、今回に関しては許されるなら上限突破したい。
ただいかんせんドラゴンクエスト5のゲームをプレイ済みなことが前提過ぎる。
一本の映画単体としてみると割と失敗作かなと思う。
総合的に、残念ながら3である。

ゲーム丸出しの序盤演出

映画冒頭、天空の剣にまつわる伝承らしきモノローグがある。
流れるテロップはSFCか、下手すりゃFC時代のような字体である。
それが済むと、SFCドラゴンクエスト5の画面が映し出される。

……いや、マジで。

ゲーム開始直後の、謁見の間でウロウロするパパスの姿が映る。
その後もSFC版のゲーム画像を交えながらだいぶ端折って少年時代が経過する。なお、SFC版風の映像であるが、リメイク版以降のイベントであるビスタ港でのフローラとの出会いも描写される。
まぁちょいちょい映画用のCG映像も交えながらであるが、ジェットコースターのようなスピード感で『ぬわーーっっ!!』までいく。

ちなみに『ぬわーーっっ!!』であるが、あまり『ぬわーーっっ!!』感はなかった。

端折られ、いじくり回される中盤

マリアと兄であるヨシュアの存在が消滅しており、セントベレス山からの脱出経路が樽一択から山の麓の町を経由するルートに変更されている。
というあたりを皮切りに端折られ筋が変わり、全体的に「ドラゴンクエスト5とよく似た別のモノ」という印象。まぁそのまんまやっても意味ねぇから仕方ないのだけど。

しかしBGMはドラクエそのままのものが使われており、申し訳ないがそれだけでバンバン涙腺が緩む。


そして、実は序盤に引き続き中盤の展開もある意味では伏線なのであった。

そして怒濤の終盤

石化解除後は息子が天空の剣を抜いて覚醒、妖精イベントを経てマスドラの背に乗ってセントベレス山を強襲する。
最終決戦らしく魔物の軍勢が押し寄せる中、ドラクエではあまり見られない救援イベントからの合戦イベントの様相を呈す。
そしてついにゲマを撃破するが、魔界の扉は開きミルドラースが、

現れない。

見たこともないワケノワカラナイ新キャラが登場し、プログラムを解除して辺りの全てを消滅させていく。
この世界は仮想現実型のゲームの中で、目の前にいるのはゲームのプログラムを破壊するウィルスなのだと。
ゲームプレイ中は現実世界での記憶がなくなるので、プレイヤーである主人公は真実自分が『主人公そのもの』だと思い込んでいた。

序盤の過剰なゲーム演出はまさにそのまんまゲームだったからであり、中盤の再構成はリメイクをイメージした意図的なモノだったというわけだ。

絶体絶命、クリア間近にしてゲームの世界からログアウトかというその時、仕込まれていたワクチンプログラムにより事なきを得る。

そして物語はエンディングへと向かっていく。


それは映画の、ゲームの、人生のエンディングだろう。

評価が物凄く別れるクセのある作品に仕上がったのではないかと、個人的には思う。
同時に、個人的な評価は良作である。




きっと、見に行く前に思っていたことと同じなのだ。

ドラゴンクエスト5と、あの頃の気持ちと、もう一度出会いに行く映画だと思う。


勿論、答えはそれぞれで良い。



これは君の物語だから。