知らないことをやってみるブログ

世の中には、知らないことが多すぎる。アラフォー妻子持ちがなんでもやってみようというブログ。

映画のレビュー出来るかな ~子供と映画

子供とトイストーリー4を見てきた。

同じ映画を見た人と語り合うことや、見ていない知り合いに内容を「説明」することはあっても、所謂レビューを書くようなことは経験がない。
ちょっと試しにレビューしてみようか。

ネタバレを含みますのでご覧になる方は自己責任で願います。

評価

総合評価 ★★★☆☆

個人的には4か5くらいの評価なのだけど、主観を排除すると残念ながらこんなモンだと思う。
この作品が私に刺さったのは、情けない話だが私の中に満たされないものや欠落したなにかがあるからだと思う。
一方で、子供達は3人とも単純に楽しんでいたと思うので、一定年齢以下は問題なく楽しめるつくりにはなっているのだろう。
一定年齢以上になると刺さるか刺さらないか、結構露骨に出る作品かと思う。
まぁどんな作品もそうだが、受け取る側によって評価は全く異なるものだ。
事前に私が見た低い評価も、それはそれで素直な、しかし個人的な感想が綴られたもので、否定すべきモノではない。

ウッディの物語

これは一作目からずっとあったのだけど、今作ではより強調されていたように思う。

前提として、シリーズ通してオモチャの物語ではある。
ただ前作まではアンディとの関係性という視点がずっとあって、今作でそれがなくなりボニーとの関係性や、ボニーがもともと持っていたオモチャ達との関係性という視点に変わる。
これは一作目でバズが、二作目でジェシーが加わったことや、三作目のラストでウッディ達の持ち主が代わったような、物語の中での変化ではない。
三作目のラスト、つまり今作の冒頭からガンガン突き付けられる前提としての変化だ。

そして、先ほど述べたのと同様に一作目からあった要素だが、その変化に取り残されるウッディがいる。

じゃあどうしていくか、最後にどうするか。
きっとアンディのオモチャだった頃のウッディなら、答えは違っていたと思う。

いらないオモチャはどうなるのか

これも一作目からあった要素だ。
バズがきたことで、アンディのお気に入りは自分ではなくなるかも知れない。
腕が壊れた自分は捨てられるかも知れない。そうでなくてもジェシーのようにいずれ捨てられるかも知れない。
アンディは大人になって、自分たちオモチャはもう必要ないのではないか。
そういったことに向き合ってきたシリーズでもある。
だから今作でも当然にそれが突き付けられる。

当たり前だが、ボニーはアンディではない。
割と冒頭から、ウッディがボニーに飽きられ始めている描写がある。なんだかんだ前作まではオモチャ達の精神的支柱であったウッディだが、今作ではボニーのオモチャ達のもともとのまとめ役であり、ボニーやその家族の事情に明るいトリクシーにお株を奪われがちだ。
というかなんなら「なに余計なことしてやがる」レベルの扱いまである。
そんな中、新参者のフォーキーの面倒を見ること、それがボニーのためであると自分に言い聞かせるウッディの姿は、酷く切ない。
もはやボニーに自分は必要ではない、自分に出来ることはこのぐらいだ、そこに自覚的なのがますますもの悲しい。

ウッディの執着

彼らは職業軍人ならぬ職業玩具である。
或いはナチュラルボーントイということになるか。
生まれついてそうだし、やめることは出来ない。

「自分からは」

ゴミから生まれたオモチャで、ゴミに戻ろうとするフォーキーと、ゴミになるまいとするウッディは真逆のようで何処か似ている。
そういうあり方しか知らないからそれを維持しようとする。

しかし、最後にウッディは下した決断。
それにどんな思いがあって、悩みがあったのか。
シリーズの締めくくりとしてのラストは賛否両論あるだろう。

サラリーマンに例えてみよう

※こっからクソほどネタバレあります。



かつてちょっと良い関係だった同僚(ボー)は9年前にヘッドハンティングされて別の会社へ。

ウッディは会社に残ったが、慕っていた経営者(アンディ)が色々なやむを得ない事情によって従業員(オモチャ達)を事業ごと別会社へ承継した。
それまで責任ある仕事を任されていたウッディは新しい経営者(ボニー)と反りが合わず、また新会社には別の責任者(トリクシー)がいたこともあってかつての立場を失っていた。
いや、以前の職場からの仲間もいるし、何がダメってワケでもない。しかし、どこか満たされないのは事実だった。
そんな状況の中で、新人(フォーキー)が経営者にとってとても重要な存在になると確信したウッディは、新人の教育係を買って出る。
だがゆとり丸出しの新人はすぐに職場から逃げ出そうとする始末。
それでもこれが会社のためと必死に新人の面倒をみるウッディだが、社員旅行に行った先でついに新人は姿を消してしまう。
必死で追い掛け、連れ戻す道すがら、ようやく新人にウッディの情熱が通じた。
これで安泰、後は連れ戻すだけというその時、かつての同僚の痕跡を見付ける。
しかしそこに同僚はおらず、そればかりかウッディはトラブルに巻き込まれてしまう。

「アタシは内臓が悪くてね、上手く働けないんだ。でも働きたいって気持ちはあるんだよ。アンタはアタシと血液型もHLA型も同じだね。ちょっと内臓をアタシにおくれよ。なぁに、安心しなよ。死ぬようなところは取りゃあしないから」
※この辺は一番下の子が怖がってました。

何とか逃げ出したものの、新人が人質に捕まってしまう。
何とか新人を助け出したいウッディは状況を打開しようと動き出すが、そんな中かつての同僚と再会する。

「私いまフリーランス(特に持ち主はいない)なの。ヘッドハンティングされた先で冷遇(何年も放置)されてね、外に飛び出した(プリズンブレイク)ってワケ。今はとても充実しているわ。アナタまだ会社に縛られてるの?」

そんな彼女は眩しいようで、しかし今のウッディには受け入れられない。

「なぁ、頼むよ。手を貸してくれ。あの新人は我が社には必要なんだ」

「仕方ないわね。でも大変よ。あそこには四つ子の用心棒がいるの。るろうに剣心の四神みたいなもんね」

「君は変わらないな(ニッコリ)」


~ ~ ~ ~


そうして何とか新人を救出したウッディ。
しかし、自分はどうすれば良い。
新人は戻り、仕事への責任感も芽生えつつある。
今の自分は、必要ないんじゃないのか。

その時、ウッディが下した結論とは。




という視点で見ると、刺さる層には刺さる。
まぁ「それをトイストーリーでやるなよ」って類の意見もネット上にはあって、言いたいことも解るんだけど。


……レビューじゃねぇなぁ。